6/4と6/11の2回連続の講座。
参加者の所属団体やその活動についていいところをお互いに話した後、NPO法人れんげ舎の長田英史さんに市民活動を続けていくために大切な組織づくりの基盤について教えていただきました。 
「組織運営は、場づくりを支えている組織、その構成員が納得してやっているかどうかということで、形だけの場になるか、中身の詰まった場になるかは変わってくる。場づくりと組織運営は直結している。組織運営が原因で場づくりが結果というつながりがある。」
◇第1回「活動の場づくりと組織運営の基本」
○場と場所のちがい
物理的な建物や施設など地図上で表せる地点をさす場所に対して、「場」とは、人と人とのつながりによって生み出される雰囲気やそれによる可能性のことを指す。
人間関係が良いか悪いかで場の雰囲気が変わる。単に建物、施設が素晴らしいということではない。
豊かな場の正体…どんなところで人と人がつながっているか。すごい人とつながるということでなく、どんなふうにつながっているか、どれだけいい関係が作れるかということが大事。
自分の思いを場に反映させる事が場づくりの一番大切なポイント
○活動の場の成り立ち→2階建て構造になっていて、1つの場を作るのは3つの場を作ることになる。
2階=活動の場(当日の場)
1階=運営の場(準備と振り返りの場)
場づくりは、1階がメイン。1階が2階を支えている。
場の質=主催者の質
○個人と組織
ただ群れているだけでなく人が群れているだけの状態か、組織化されているのか。
構成メンバーそれぞれが考えていることには違いがあるのは大前提で、チームとしてどうするかの意思決定が出来るかどうかが重要
・意思決定のタイプ(意思決定システム)
トップダウン型…代表者が決めると組織の決定になる。代表者は、地位ではなく役割。
フラット型…会議が決めると組織の決定になる。代表者は、内部的には普通の人、外部的には代表者。
○主催者と参加者の境界線
渾然一体となってやるのがいいという風潮があるが、境界線をしっかり引く必要がある。
境界があいまいだと、短期的にはいいが、活動が混乱し運営が脆弱になる。
◇第2回「みんなで納得できる会議のやり方」
会議は意思決定の場である
会議の進め方
誰かが賛成していないのに無理に決めてしまうことや誤解があるかもしれないのに終わってしまうことがないようにする意思決定のプロセス
(1)提案 何のために何をしたいのか、目的と方法をみんなに伝える
(2)質問 提案者の気持ちや提案内容を全員が完全に理解する
(3)意見 反対や意見など、提案に対するあなたの意見を表明する
(4)修正 議論の結果、提案が修正された場合、修正箇所を明文化して確認する
(5)承認
・納得は、結論ではなく意思決定のプロセスに対して宿るもの。
・一番大事なことは、会議で発言する際は、本当に思ったことをきちんと言うとうこと。配慮を持って伝えるが、心にもないことは言わない。
・上手くいっていない場は、準備不足が原因。
単にモノがそろっていないなどの準備不足と、意思決定において準備ができていないことが非常に多い。それは会議で実が詰まっていないということ。どんな場でも主催者がどんな準備をしたかが現れてくる。
その他にもいろいろと示唆に富んだお話もありました。
・単一の場でどんなニーズにも応えようとするとそこは場ではなくなる。場の魅力もなくなる。
一つの場で何もかも解決ししようとしない。ある強いカラーの場ができると、もう一方で満たされないニーズが顕在化する。ニーズの問題は、合わない人がいるのは仕方のないこと。一身に背負わなくていい。一団体で背負うものではない。
・裾野が広がるためには、これはダメだとかふさわしくないんじゃないかとか、自分たちが勝手に決めている境界線を踏み越えていく、いつもと違うやり方に手を出していく 活動を活性化させていくポイントになる。
○仲間を増やすためのきっかけの場の条件
・ハードルが低いこと
・活動の本質が体現されている事
「どんな方でも歓迎」などと言うけれど、本当は違う。
選り好みはしないけど、こういう人に来てほしいという場合は、そこに絞ってきっかけの場を作る。
★活動を始めた時の思いを仲間と共有することは大切なことですが難しいことでもあります。そのためにどうすればいいのか、その考え方のヒントを具体例も交えながらわかりやすく教えていただきました。3時間の講座を2日間という形で行いましたが、とても中身の濃い講座となりました。

