【活】学ぼう@こまえくぼ 団体向け講座『人が集まるチラシと広報のコツ』を行いました。

3月5日(日) 10:00~12:00

講師に、坂田静香さん(NPO法人男女共同参画おおた 理事長)をお迎えした今回の講座には、7団体10名の参加がありました。

実際に使用されたチラシを基に具体的でわかりやすく、坂田さん自身の失敗から得た、企画力と広報力についての考え方にみんな引き込まれました。

人の集まらない講座の言い訳ベスト3

1位「開き直り」
「こんないいことしてるからいつかは報われる」 …“いつか”は来ない。
「来ない方が悪い」…素晴らしいことが分かっていれば人は来る。中身が良ければよいほど、その素晴らしさを事前に広報できなかった主催者の責任になる。
「やることに意義がある」…やることは手段であり目的ではない。伝えたいことがあるから講座を開く。そこに市民が参加していなければ意味がない。

2位「市民の意識が低い」
 意識を変えてもらいたい講座は、意識のない人に来てもらうほうが効果的。たとえば、男女共同参画を“だんじょきょうどうさんが”と読むような人。

3位「天気が悪かった」
  民間はこんな言い訳はしない。雪が降っても自分のせいになる。物が売れないと会社がつぶれる。そうならないためにどうしたらいいかを考える。

人集めができない組織は決まって同じ言い訳をする。20年近くたっても順位も中身も全く変わらない。

番外編
「地域性が違う」…たしかに違いはあるが、地域性は言い訳にするものではなく活かすもの。

 

企画力向上ワーク

なぜ人が集まらないのか、人が集まるポイントは何か。
「何故、チラシ①に人が集まらず、チラシ②、③、④に人が集まったのか」

実際に使われたチラシをもとに、グループごとにチラシについて話し合いをしました。熱のこもった話合いの結果をそれぞれ発表した後に、坂田さんから詳しく解説をしていただきました。

 

○チラシ×企画 どちらかが0(ゼロ)だともう一方も0(ゼロ) どちらにも時間をかけないといけない

・まずは企画ありき 企画に時間をかける。
 誰を対象として、その講座を受講したらどんなメリットがあるのか、企画の段階でしっかり考える。

・その次が広報
 広報=広く報せる  企画の良さをどうやって広く報せようかということ。

・広報に万能なものはない。人によって見る媒体が違う。いろいろな手段を使って企画の良さを伝えないといけない。

 

どうしたら人が来る企画になるのか。すべての講座が定員割れになったことで、自分の失敗講座を分析し、よその地域で集まった講座を調べて真似をした。

→その結果分かった3つの法則

〈1〉目的を出さない広報戦略に変えた
 男女共同参画という言葉そのものに興味を持つ一般市民は極端に少ないので、チラシの中に男女共同参画という言葉を出さない。

〈2〉対象者を絞って企画しないとだめ。
 年齢が違う、性別が違う、ライフスタイルが違うと人それぞれ価値観が違う。興味も違う、抱えている課題が違う。
 抱えている課題が解決できるような講座に人は集まる。いかに対象者を絞って企画をするか

〈3〉タイトルにこだわらないとだめ。キャッチコピーは重要
 ゴールが見えるタイトル この講座を受けたらどうなれるのかという身近なゴールをタイトルに持ってくる。

3つの法則に従ってチラシを作ると人が集まるようになってくる。人が集まるとさらに分かってくることもある。

 

○チラシのレイアウト

・上3分の1のスペースにできるだけ大きい字でゴールの見えるタイトルを配置する
 チラシラックは重なる場合が多い。半分以下は別のチラシが重なって見えない。見えるタイトルが目立つようにする

・横書きの場合、左上から読み始めるので左上がゴールデンスポット
 ゴールデンスポットの部分に、魅力的な言葉を持ってくる。

・縦書きのチラシの場合(高齢者向きや歴史文学のような場合)
 右から読むので、右上がゴールデンスポット

・前回参加者の声を載せる。受講生の生の声は伝わりやすい。
 アンケートから良い意見だけを抜粋して載せる。

・メンバー募集のチラシを作る時も、現在活躍している人の感想を載せる。
「ボランティア募集」という言葉だけでなく、入ってきてほしい年代の人の顔写真と吹き出しをつけて。

・売れている本を探るだけでも社会のニーズをつかむことができる。

・長いタイトルの場合、単語ごとに文字の大きさを変える
 メリハリがついて読ませたい単語だけ読んでもらうことができる

 

その他、手にとってもらえるチラシづくりのポイントやキャッチコピーの重要性など細かな部分も教えていただきました。

 

そして最後に、最も大切なことは
「まずは企画ありき」
① 対象者の心に響くゴールの見えるタイトルをつける
② 対象者を徹底的に絞る
年齢、性別、ライフスタイルごとに価値観も興味も違う
チラシには幅を持たせてよい
③ 最後の決め手は、担当者の熱意と努力 市民活動をやる時のポイント

 

しっかりと考えて企画されたものだからこそ伝えるポイントが見えてくるということなのだと思います。
初めて出会う参加者同士の交流もでき、気づきの多い、中身の濃い講座でした。