【活】学ぼう@こまえくぼ 団体向け講座『市民活動とお金』を行いました

7月2日(土)
講師にNPO法人セイエン代表理事の関口宏聡さんをお迎えしました。

まずは、それぞれの参加団体が自己紹介をしました。
「活動紹介場面はこれから出てくるので(助成金審査とか)自分たちの活動を紹介できるようにしておくとよい。」とさっそく関口さんからのアドバイスもいただいてスタート。
途中ワークを挟みながらの講義の内容の一部を紹介します。

 

◇財源の確保…バランスが大事
 会社の場合は、売上が収益となるので分かりやすい。NPOの場合は、会費や寄付、事業収益、助成金や補助金、借入など財源がいろいろあるため、分かりにくいところもあるが、いいかえれば、いろいろな形で集める方法があるともいえる。
 しかし、委託事業による補助金頼みの場合は、委託がなくなったら団体の存続自体が困難になるケースもあるので、財源をどうするかバランスが大事とのことでした。1つの財源に頼るのではなく複数あることで安心でき、3つあると安定してくるそうです。椅子の脚と同じですね。

 企業の財務よりNPOの財務のほうが意外と難しい面もあり、物価高の現在は、お金を集める努力と同時に、代替する手段(お金のかからない方法)も模索したほうがいい時代になってきているという点は興味深く感じました。

◇ワーク…団体の行う事業について具体的にかみ砕いて考えていかないと、資金調達の実現性がない机上の空論になる
 架空の環境系団体をモデルとして、その団体が行う事業についての財源として考えられるお金を考えてみました。その後、それぞれの財源について、関口さんから詳しくお話していただきました。

◇財源について
・寄付…遺贈寄付が増えてきている。NPO法人は非課税
    不動産の遺贈は最終的に国庫競売にかけられるが、地元の団体に遺贈して地域で活用してもらう事例もある

・借入…日本政策金融公庫、3メガバンク…最近は、NPO向けの融資もある。
返せる見込みがあればOK。委託事業、補助金で後払いの時に必要になるつなぎ融資にも利用できる。

・事業収益…ほかの財源が多くを占めている場合には、意識しないとなかなかできない。

・補助金・助成金…使途制限、後払い(清算払い)など、NPOにとっては使いづらいお金
「楽にもらえて」「たくさんもらえて」「数年にわたって」「何に使ってもいい」という助成金は、現状はない。また、誰にとっても好条件のものは、競争倍率が激しい。

 

○日本の助成の大半は事業助成というものがほとんど。(事業に対してお金を出す。事業やらないとお金をもらえない)
 税金が投入される事業にはそれなりの責任が生じるので、管理もきちんとしていかないといけない。そのためにかける組織のお金も大事になる。だんだん規模が大きくなってきたら組織全体を支えるお金のことも考える必要が出てきます。(組織基盤を考える)

 

◇助成金について…土を耕し肥やしていくイメージ
助成金を活用する場合、事業を行うためだけではなく+α(プラスアルファ)得たものを資産として増やしていく

○NPOの活動はいろいろな側面から価値が見いだせる。
助成金も分野によって充実度が違うが、固定観念にとらわれず多様性をうまく生かしてチャレンジしてみるとよい。

○自己資金の確保の必要性
 100%全額助成してくれる助成金はほとんどない。自己資金がないと申請できなくなるので、助成金頼みはこうした面でも困る。また、自己資金が多ければそれだけ大きな助成金を活用できる

 

○小さな団体は、まず会費や自主事業から
 助成金も地元地域のもの、少額のものからチャレンジし、ノウハウがたまってきたら大きなものにチャレンジしてみる。いずれは法人化なども視野に入れていく。

○「名簿を肥やせ」
ファンドレイジングの格言で、「支援をしてくれた人の情報は宝の山」ということ。
 接点を持った人は、つながりを大切にして、参加者⇒賛助会員⇒会員⇒メンバー となってもらえるように、関係を築いていく。

最後は、それぞれの団体からの質問に丁寧に答えてくださいました。

 内容が盛りだくさんだったこともあり、時間をオーバーしても足りないくらいのボリュームでしたが、参加団体にとっては、学ぶもの、得るものが多かった講座となったようでした。