特集 お囃子の世界
笛や太鼓の小気味良い音色に合わせて、獅子が舞い、オカメ・ヒョットコが戯け踊る。
お囃子は、日本のお祭りごとに欠かせない郷土芸能です。
狛江市内には、現在、猪方・岩戸・小足立・多摩川・駒井、地域ごとに5つの囃子保存会があります。
1800年代、明治時代の初め頃、狛江市がまだ村だった頃に、狛江のお囃子は生まれました。
今では市内の様々なイベントに華を添えるお囃子。過去と現代、人と人が織り混ざった、ローカル・エンターテインメントの世界を覗いてみましょう。
市内に5つの囃子保存会
半纏collection
半纏は、“所属”を表しています。市内5つの囃子保存会が一堂に会する狛江市民まつりで、半纏くらべをすると楽しいですよ。
- 岩戸はやし保存会
- 小足立ばやし保存会
- 駒井はやし保存会
- 猪方はやし保存会
- 多摩川ばやし保存会
未来を担う若手たち
お囃子は、各地域で、二世代、三世代と受け継がれてきました。市外から引っ越して来た人など、新規参入メンバーも多くいます。現在子育て真っ只中のパパママや、子ども達など、お囃子の次世代を担う人達を紹介します。
・小足立囃子は、チラシを学校で配ったり、町内にポスターを貼って会員を募り、この1年で会員がとても増えました。
・多摩川囃子の白川真聖くん・聖深さんはこの春から高校生の双子です。祭囃子や日本文化が大好き。
・猪方囃子の仲良しママコンビ、神津香さん・前田知里さん。社交的でお祭り仲間がたくさんいます。
・駒井囃子の大津喜一さん・松坂諭さん・黒木絵里さん。若くして笛と太鼓の名士です。
・岩戸囃子の草島雄一さん・島岡智幸さん。半纏を羽織れば、仕事の時とは違う顔に。
縁起
“獅子に頭を咬まれると良い”と聞いたことはありますか。“神が付く”とも言われ、縁起が良い、厄祓いになると考えられています。獅子に出会ったら、是非、ひと噛みしてもらいましょう。
・天狐は、取りついた人に神通力を与えると言われています。
口伝 〔駒井ばやし保存会〕
笛「オヒャラヒャーヒーヒーヒャラト」
太鼓「テッケテンスクステツクテンツクツ」
日枝神社拝殿の裸電球が灯ると、境内を一気に祭りの世界へと変える“締め太鼓”で練習が始まります。子ども達は2台の太鼓で練習し順番が回ってくるまで基本のリズム「通り」やバチさばきを“口伝”で教わります。「テレスクス テレスクスクスクス」などと歌いながらタイヤを叩いて覚えます。指導は子育て世代の30代パパ達。厳しいと評判の稽古ですが「練習が厳しいのではなく礼儀(挨拶や返事)姿勢の指導をして、社会性を身につける場となっているんだよ」と保存会の長老が教えてくれました。子ども達が帰宅した9時からは大人の練習が始まります。拝殿に響くお囃子が聞こえてきたら練習を覗いてみてください。シャキッと背筋の伸びた子ども達が、お囃子の習得に励む姿にきっと感動してしまいますよ!(稽古は毎週木曜日、夜7時30分より)
五人囃子
- とんび(笛)一名
- しらべ(締め太鼓)真と流れ 各一名
- 大胴(鋲留め太鼓)一名
- よすけ(鉦)一名
市内の様々な行事に参加〔小足立ばやし保存会〕
お囃子は、神社の初詣や例大祭以外に、市内の様々な行事でも観られます。
11月の狛江市民まつり、4月のこまえ桜まつりには、全囃子保存会が参加しています。12月の多摩川流域郷土芸能フェスティバルには、毎年1団体が交代で出演しています。
その他、各囃子保存会は、それぞれの地域で活躍中。例えば小足立ばやし保存会は、長寿会や市内各種協会の新年行事、緑野小学校、第五小学校、第四中学校、三島保育園の行事、野川地域センターまつりなどでお囃子を披露しています。
市長もお囃子やってます!
小足立の囃子に溶け込んでいるのは松原市長。所属する世田谷安宅囃子の皆さんと狛江市民まつり前夜祭に参加されました。太鼓がリズムを唄い出すまで時間はいりません。40年のキャリアとお囃子の世界「あうん」がそこにありました。
気になったら、参加したいと思ったら
各囃子保存会への出演依頼、入会希望は、お住いのエリアの囃子保存会に問い合わせてください。練習の見学も大歓迎だそうです。また、全囃子保存会で構成される、狛江市郷土芸能祭ばやし連合会でも問い合わせを受け付けています。
狛江市郷土芸能祭ばやし連合会
会長 谷田部 正一(猪方はやし保存会)03-3489-7170
事務局 石井 芳和(猪方はやし保存会)03-5497-5491