団体紹介 DIY精神で、狛江の未来を創り出す
comaecolor(コマエカラー)

多摩川や野川の豊かな自然、静かで心安らぐ泉龍寺や、特別緑地保全地区に登録された弁財天池の竹林など、
私たちが住む街、狛江にはたくさんの魅力があふれています。そんな狛江を「もっと盛り上げたい」「狛江の良さを
もっと発信したい」という思いを掲げ、comaecolorは5年前に結成されました。メンバーそれぞれ本業を持ち、comaecolorの活動はボランティアで行っています。仕事ではできない面白いことを、自分の生まれ育った街、長年
住み親しんだ街、狛江で実現したいと集まりました。
多摩川河川敷で開催されている「TAMARIBA」は、ご存知の方も多いのではないでしょうか。comaecolorが主催する、1万人規模の大きなリバーサイドフェスティバルです。音楽ライブや水上アクティビティを楽しんだり、テントを張って、のんびりピクニックをしたり。来場者が思い思いの遊びができる、自由なフェスです。入場無料で、主に来場者からの寄付や、狛江市の事業者からの寄付によって運営されています。リピーターとして毎年訪れる方も多く、このフェスをきっかけに狛江に引っ越した方までいらっしゃいました。
また昨年は、宮城の「せんだいヤタイ」をモデルに、誰でも簡単に組み立てることができる移動式屋台「コマエヤタイ」を製作。仕上げのニス塗りや防腐剤塗りといった作業は、メンバーのDIYで行いました。今後、市内の様々なイベントでの利用が予定されています。市民への貸出も行い、飲食店のテイクアウト販売など、どんどん活用の幅を広げていきたいとのことです。
他にも、むいから民家園の利活用や、カフェと連動して継続的にアクションを起こす企画など、今年はコロナ禍でも開催できるイベントをつくりたいと話しているそうです。コロナという逆境に立ち止まることなく、「今できること」を模索し続けるメンバーの皆さん。そのたくましさの根っこには、「まずは自分たちが一番楽しみたい」という気持ちがあるように感じました。

※写真の説明
・「TAMARIBA」メンバー手作りの装飾
・泉龍寺で開催されている「珈琲参道」
・駅前イベントで「コマエヤタイ」の初お披露目

気になるココKOMAE

<西野川>空き家を活用した、小さな居場所づくり
野川のえんがわ こまち

西野川の住宅地、富永畳店の向かいに建つお庭付きの一軒家。社会福祉士の梶川さんを中心に、ボランィアスタッフの皆さんで運営されている「野川のえんがわ こまち」です。
こまちは、地域に住む人誰もが自由に集える、まちに開かれた場所。10年ほど空き家だった物件ですが、約半年かけて片付けと耐震改修を行い、2020年6月にオープンしました。改修の際には、より開放的なイメージを持ってもらおうと、お庭の入り口にあったブロック塀と門扉を取り払ったそうです。1階には台所とリビング、和室が1部屋ずつ。2階には勉強やテレワークができるようにと、デスクが置かれた個室もあります。
噂が口伝えに広がり、こまちの知名度は少しずつ上がってきています。
昨年末までの半年間で、延べ1,000名以上の方がこまちを訪れました。月に数回開催されている、絵本の読み聞かせ会や人形劇、助産師ひろばなどのイベントには、コロナ禍で不安を抱えながらも、育児を頑張るママさん、パパさんがやってきます。コロナ禍だからこそ「繋がりを作りたい」と、こまちを訪れた方も多かったのかもしれません。また、近所の子ども達の間ではすぐに大人気となり、学校に通っている子も通っていない子も、一緒になって遊ぶようになりました。
梶川さんの願いは、まちのあちこちに、こまちのような場所が増えていくこと。一人ひとりが自分の居場所を見つけるとともに、世代を越えた繋がりが生まれることを目指しています。コロナに負けず、週4日のペースでオープンされていますので、近くにお住まい方は、ふらりと立ち寄ってみてはいかがでしょうか。

<元和泉>みんなで、畳がすり減るほど使ってほしい家
よしこさん家

増村(聖智子)さんの一日は家の鍵を開けることから始まります。「いつでもどうぞ!」と心を込めて。
よしこさん家の看板。昭和が薫る懐かしい響き。ご近所ではすっかり馴染みになったここ「よしこさん家」。誰でももっと気軽に立ち寄ってもらえる場所、となれるように試行錯誤を重ねコロナ禍の中でも奮闘中です。
この家は、姉の鈴木淑子(よしこ)さんが高齢者施設に入ることなったため、住んでた家の管理を増村さんに託すことになった場所です。
介護職を経験されていた増村さんは、介護者の中で家族介護者の会やサロンなどに、勇気を出して出てくることが難しい方がいることをよく知っていました。家での介護に疲れ、頭では分かっていても「家族に優しくなれない」。そんな時、「いつでも気軽に相談できる窓口になりたいな、畳の部屋で足を伸ばし何気ない会話を楽しみ、毎日の介護の気晴らしに愚痴を言える場所にしてもらえたらいいな」と考えるようになりました。
最初は介護者サポーター養成講座でグループが一緒だったメンバーと認知症カフェ「ちょっと寄り道 よしこさん家」を開きました。この活動は1年間でしたが、その時の経験を活かし2019年5月狛江市社会福祉協議会の協力によって開設した現在の「よしこさん家」という形に結びつきました。
今年3年目を迎え、一人暮らしの高齢者や認知症のご家族を介護されているご家族のことにフォーカスしながら、誰でも使えるフリースペースとしての活用や“ママ・パパ・赤ちゃんのゆったり絵本の会”“あかちゃんのわ”や“おばあちゃんと話そう”の活動を応援するなど新たな試みも始まっています。お話の最後に、夢は狛江の語り部になることと話してくださった増村さん。
何を語っていただけるのか期待が弾みます。みなさんも「よしこさん家」でひと時、夢を紡いでみてはいかがでしょう。

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